斬魔大聖デモンベイン SS
『キャンパスライフは大騒動』
by Sin


第8話

 エリートとは名ばかりの奴等を一掃した俺。
 アル達を傷つけられた事に対する怒りで振るわれたその力。
 あいつらへの断罪を後悔はしていない。奴等は間違いなく俺が断つべき『魔』だった。
 人の姿をしただけの、邪悪なる存在……。
 結局、全く反省どころか罪の意識すら感じていなかったから、あのまま放っておけば同じような事件をこれからも起こし続けていただろうし、それになにより――あいつらを許すつもりなどなかった。
 俺が誰よりも何よりも深く愛するアルを苦しめ、傷つけ、泣かせたあいつらを。
 アルの受けた苦しみの何億分の一でも、あいつらは感じたんだろうか……。
 それが気がかりなだけ……そう思ってみても、やっぱり心のどこかで嫌な気持ちが渦を巻いている。
 苛立ちと不安に、俺はそっとアルの肩に手を伸ばして抱きしめた。

「九郎……?」
 強く肩を抱かれて不思議そうに俺を見つめてくるアル。
 だが、すぐに心の葛藤に気づき、そっと俺の胸に頬を埋めて抱きついた。

「……汝はやはり優しいな」
「アル…」
「あれ程の咎人どもを断罪する事に対しても、いつも汝は生かす術を考えようとする」
「俺はそれほど優しい男じゃないよ。今回だって、アルを傷つけられた事にキレて、こうして跡形も無く消滅させちまったんだ」
 そう言って落ち込む俺に、アルは不思議そうな視線を向けていたが、やがて……。
「……もしや、汝……言うまでも無いと思っておったのだが、気づいておらぬのか?」
「え?」
「彼奴等……汝が今断罪した者どもは、人の姿こそ保ってはおったがすでに堕ちていたぞ」
「……へ?」
 少し意外そうな表情で俺を見つめるアル。
「やはり気づいてはおらなんだか。まあ、あれほど脆弱な人間程度でさえ完璧には乗っ取る事の出来ぬような低級な怪異だったのだから仕方ないと言えばそうなのだが……汝が珍しく躊躇いも無く彼奴等を断罪したから、気づいているものかと思っておった」
「い、いや、俺は……」
「そう言えば、あの者が化け物に姿を変えたときも驚いていたのは私達だけで、彼等は全く驚いた様子がありませんでしたわね」
 姫さんの言葉に柘植も頷く。
「……言わば、彼奴等は人の形こそしてはいたものの、すでに死人であったという事だ。堕ちて日数も経っておったのだろう。完全にあの形で安定してしまっていた」
「それじゃあ、あいつらが話してた事ってのは……」
「前に教えたであろう? 低級の怪異は取り付いた者の記憶を喰らい、それを自在に操ると。能力としては最低ランクではあったが、九郎にまで気づかれなかったとなると、擬態能力にかけては高い能力を持っていたと言う事か……いや、それよりも……」
「なんだよ?」
「妾には、それが何者かによって意図して行われたように思えてならぬ」
「何者かって……」
「少なくとも彼奴ではない。術もろくに使えぬし……第一、彼奴如きの頭でそのような事を思いつくわけがない」
「それもそうか……じゃあ、一体……って、うぉっ!?」
 話に夢中になっていた俺は、間近に迫った巨大虫に思わずアルを抱きかかえながら地面に転がった。
 そこに更に追撃してくる数匹。

「舐めんなぁっ!!」
 右手に魔力を集中し、薙ぎ払う。
 その瞬間、巻き起こった炎が近づいてきた巨大虫を焼き尽くした。
「父上、無事か!?」
「ああ……って、いつの間にこんなに!?」
 クトゥグァ達が撃ち漏らすわけだ。
 話に夢中になっている間に、部屋中に溢れた虫が徐々に外にまで溢れ始めている。
 このままじゃ、ミスカトニック全域にあの虫が広がるぞ!

「アル! とりあえずその話は後だ! って、レイリーの奴は何処だ!?」
 気が付くと、大量の虫によって奴の姿を見失っていた。
 さっきまでいた場所にはすでにいない。
 魔力探知をかけようにも、この場所では殆ど意味を成さないから、とりあえずここから脱出するのが専決だ。
「クトゥグァ! イタクァと協力して姫さん達を非難させてくれ!」
「判った」
「父上の命に従おう」
「リルは、姫さん達の側にいて、もしもクトゥグァ達が討ち漏らした奴が姫さん達を狙ったら、お前の炎で焼き払うんだ。頼むぞ」
「うんっ! 瑠璃お姉ちゃん達はリルが守るねっ!」
 そう言ってガッツポーズをして見せるリルに頷いて、俺は炎と風を巻き起こした。
「一気に道を作る! とにかくここから脱出して仕切り直しだっ!!」

 人の気配が無い事を確認した上で力を解き放つ。
 生み出された爆炎と氷結の風が周囲の虫を焼き尽くし、氷付けにしながら一直線に壁をぶち破り、外への道を開いていく。
「姫さん達はクトゥグァ達の側にいてくれ! 行くぞっ!!」
 俺のその言葉に全員が一斉に頷く。
 まずは俺とアルが外へ。
 だが、爆発音に引き寄せられたのか、数人の学生達が集まってきている。
 このままじゃ……そう思ったときだった。
「何も知らぬ一般生徒を巻き込む訳にはいくまい。ここは妾に任せよ!」
 そう言うと、アルは胸元で何か術を紡いで一気に展開する。

「多次元呪法結界!」
 複雑な術式が次々と編み上げられ、瞬く間にミスカトニックとその周辺を包み込んでいく恐ろしく巨大な結界。
 とても今までのアルには出来なかった芸当だ。
「ア、アル、これは……?」
「この結界は今までの空間と位相を違える別次元の空間だ。この中でならばどれほどに強大な力を使おうとも周囲に被害は無い。それに……」
「それに?」
「一度妾が捕らえた魔力の波長は絶対に見逃さずこの中に取り込む。例え、次元転移をしていようともな。見よ、彼奴も確実に捕らえてやったわ」
 その言葉にアルの指差す先を見ると、いったい何処に居たのか、レイリーがあたふたと周囲を見回している。
 相変わらずその身体からは巨大虫が特盛大サービスで大量発生中。
「凄いな……」
「妾や汝、そして我等と共に戦う者は結界の位相さえ判れば自由に出入りできるが、妾が魔力を掴み捕縛した者は絶対にこの空間から自力で逃げ出す事は叶わぬぞ」
「……いや、正直驚いた。格好だけじゃなく、随分レベルアップしてるんだな、お前……」
「汝もであろうが。さっきから術も紡がずにどれほどの力を使っていると思っておる」
「あ……まぁ、確かに」
「一時的とは言え、クトゥグァとイタクァ……旧支配者の力をその身に取り込んでおるのだ。今の汝が何処までやれるのか、妾にも想像が付かぬわ」
 と、その時、俺達の背後にクトゥグァ達が姿を見せた。
 リルや姫さん達も一緒にいる。
 どうやら無事に此処に来れたようだな。

「な、なんですの、ここは!?」
 不安げに辺りを見回す姫さん。
 柘植は逆に興味津々な様子で辺りを見ている。
「あれ? あの気持ち悪いの、どっか行っちゃった?」
 リルもそのしっぽをパタパタさせながらきょろきょろと辺りを見回していた。
 頭の上に乗っかられているレアンはちょっと迷惑そうだ。
「リル、レアンの頭の上に乗るんじゃない」
 そう言って俺が襟首をつまんで持ち上げると、リルはまるで子猫のようにぶら〜んとそのまま垂れ下がる。
「ふに〜」
 何処と無く気持ち良さそうだ。
 まるで猫みたいなその様子に思わず喉の辺りをくすぐってやると、気持ち良さそうに目を細めて俺にほお擦りしてきた。
「遊んでる場合かぁっ!!」
 そんなアルの声と共に俺は背後から巨大なハリセンで張り倒される。
 頭を抱えて振り返ると、いつの間にやらアルの手の中に巨大なハリセンが現れていた。

「つっこみ魔術……か?」
「違うっ! それよりも汝は彼奴の事を忘れておるのではないか!?」
「ををぅ」
「『ををぅ』ではないわぁっ!! 汝は忘れたのか!? 彼奴が我等にしたことを……あれほどの怒りを……んぅっ!?」
 アルが更に口にしようとした瞬間、俺はアルの唇を塞いだ。

「な、何を……?」
「……アル、それは口にするな……」
「…汝?」
「少しでも明るい方へ気持ちを持っていかないと……この力、抑えきれないんだ……」
 そう言う俺の肩口で血がしぶく。
 俺のレイリーへの怒りに反応した力が、今にも弾けようと俺の身体の中で暴れているんだ。
「九郎っ!?」
「今の俺に、完全に扱いきれる力じゃない。あいつへの怒りで我を忘れたら……俺の力は、お前やリル。それにみんなの事まで巻き込んで何処まで暴走するか判ったもんじゃない……」
「汝、その為にあんな……」
「あいつを許す気は無いよ、絶対に。この世からもあの世からも魂の欠片すら残さずに消滅させてやる……」
 握り締める拳。
 アルをあれほどに傷つけたレイリー。
 奴への怒りが、俺の中で再び何かを弾けさせる。
「もう、力を抑え続けるのも限界らしいしな。……クトゥグァ、イタクァ、頼みがある」
「頼みとは?」
「これから俺は全力で力を使う。その余波に姫さん達が巻き込まれないように、守ってやってくれ」
「承知した」
「妾達に任せてもらおう。ところで…リル」
「うゆ? なぁに、イタクァお姉ちゃん?」
「汝はクトゥグァの側に居よ。その方が効率よく力を使える」
「はぁい」
 イタクァに言われるままにリルはクトゥグァの側に飛んでいき、その肩にしがみ付いた。
「無理はするでないぞ、リル」
「うんっ」
 クトゥグァの優しい微笑みに頷くリル。
 そんな様子に俺達も微笑んだ。

「九郎さん……」
「大十字くん、大丈夫……なの?」
 心配げな姫さんと柘植。
「俺は平気さ。それよりもアル、なんで姫さん達まで……」
「あのままあの場所に放置した方が良かったか? 校舎は爆発したかのように穴が開き、死臭さえも漂っていたあの場所に彼奴等を残してきた方が良いならばそうするが?」
「なるほどね、そう言うわけか」
「それに、あの場にいた者だけが彼奴の下僕とは限らぬ。万が一にも我等が戦っている隙に、その者共に瑠璃達が襲われる危険を考えると、これが最も最善な策だ」
「確かにそうだな。さすがはアル…的確な判断だ」
「フフ、煽てても何も出ぬぞ。とにかく彼奴等はクトゥグァ達に任せておけば問題なかろう。彼奴は妾と汝の2人で十分だ」
「ああ!」
 俺達がそう言って視線を交わしたその時、突然レアンから声がかかった。
「九郎!」
「っと、なんだ?」
「……あんまり……無茶して彼女を泣かすなよ」
 その言葉に思わず苦笑する俺。
 アルもそんな俺の様子を見て溜息をつくと微笑んだ。
「言うても止めぬよ、九郎は。レアン……と言ったな?」
「あ、ああ」
「汝の心遣い、礼を言う。汝のような男が九郎の友人であってくれたこと、嬉しく思うぞ」
 そう言って微笑むアルに、レアンは少し照れた様子で頬を掻いた。
「九郎、あの野郎は絶対に許すなよ」
「判ってる……レアン、下がっていてくれ。ここからは……人外の領域だ……」
「……判った…」

 レアン達が離れていく。
 それを横目に、俺はアルの肩を抱きしめた。
 自然とその視線が胸元へと向けられる。
 あの、おぞましいまでの魔力によって刻まれていた呪いの刻印。
 何とか解呪によって消し去る事が出来たが、もしもあのまま刻まれたままだったらと思うと、ぞっとする。
 そして再びレイリーを視線に捉えた瞬間、俺の中にあった怒りが……。
 
 純然たる、殺意へと変わった。

 爆発するように高まる魔力が、周囲の虫を焼き尽くし凍りつかせる。
 両手に刻まれた炎と風の紋章が眩いばかりの光を放ち、俺の身体から容赦なく魔力を搾り出して行く。
 念ずる事無く、言葉にする事も無く、手の中に現れる二挺の魔銃。
 それは溶け合うように交じり合い、一挺の巨大な魔銃へと形を変えて俺の手の中で膨大な魔力を放ち始めた。

 そっとアルを離す。
 溢れる殺意が俺の身体を動かし、未だに虫を生み出し続けるレイリーへとその銃口を向ける。

「餓ァァァァ…唖ァァァアッ!! レイリィィィィィィィィッ!!」
 俺の声に反応したのか、レイリーの視線がこちらに向けられた。
 一斉に襲い掛かってくる虫。
 だが……。
 引き金を引くと共に凄まじい爆発音と共に放たれる魔力の塊。
 それは襲ってくる虫達を全て粉砕しながらレイリーへと迫る。
 そして……一瞬で爆砕した。

「な……?」
 あまりの呆気なさに愕然とする俺達。
 だが、その瞬間、俺達は驚きに目を見開いた。

「きひひぃひひひひひいはぁいぁいひひっぁっ!!」

 響き渡る気持ちの悪い狂った笑い声。
 それは周囲を飛び交う虫の全てから放たれている。
「な……まさかっ!?」
 そのアルの言葉がきっかけとなったかのように、一斉に虫の背中に浮き上がる人面疽。
 全ての笑い声はその口から放たれていた。

「い、嫌ああああああああっ!!」
「あ、ああああああっ!!」
 姫さんと柘植の悲鳴が聞こえる。
 そりゃそうだろう。俺達だって、この不気味な光景に一瞬我を忘れた位だ。
「ちぃぃッッッ! 消え去りやがれェェェェッッッ!!」
 今度は銃を使わず両手から炎と冷気を放ち、周囲を飛び交う虫を焼き尽くし、凍て付かせる。
 アルも衝撃波を放って次々と虫を打ち落とすが、何しろ数が多い。
「えぇいっ! 全く何匹居るのだっ!!」
 打ち落としても焼き尽くしても次々と湧いてくる虫。
 段々と俺達の間に苛立ちが募ってくる。
 時々上がる火線と、冷気の渦はクトゥグァとイタクァだろう。
 リルも奮闘しているようで、あちこちで狐火のような炎が虫を焼き尽くしていた。
 だが、虫は全然減っているように見えず、周囲から絶え間なく気味の悪い笑い声を響かせている。
 その時だ。

「ひぃぃひひひいひひ……アル・アジフゥゥ……」
「きぃさまぁは…私……の……」
「物だぁあぁあぁ」
「――――――――ッ!?」
 突然響いてきた声に、アルが顔色を変える。
「おま、おま、おまえは……大…十字を裏…ぎったはずぅぅう」
「な……ぜ……なぜそこにぃぃいるぅぅぅ」
「大十字ぃぃにぃぃぃぃい……愛ぃぃぃされぇぇるぅしかぁぁくぅなんてぇぇ」
「なぁぁぃぃぃぃいいい」
 周囲から絶え間なく浴びせられる言葉に、アルは歯噛みして俯く。
 しかし、その瞬間……。
「ふざけんじゃねぇっ!!」
 一気に巻き起こる炎。
 俺の怒りを具現化した炎が周囲で騒ぎ立てていた虫を一気に焼き尽くす。
「アルは俺を裏切っちゃいない。お前に操られていても、苦しみながら必死に抗っていた!! 涙を流し、血を流し……それでも俺を愛し、必死に耐え抜いた!!」
「九郎……」
「そんなアルの想いを踏みにじるような事は……絶対に許さん!!」
「九郎……っ……」
 呟き、涙を零すアル。
 その身体を俺は強く抱きしめて、唇を奪った。

「ん…んぅ……っ……」
 微かに漏れる吐息。
 その隙にと襲ってくる虫は、全て俺達が放つ魔力によって砕け散る。
「誰が何と言おうと……」
「……九郎……妾は……」
「永遠に…お前を……愛してる……」
「妾も…だ……んっ……」
 再び重ねられた唇。
 閉ざされたアルの瞳から溢れた涙が頬を伝い、俺の胸に零れ落ちた。
 その瞬間……。
「こ、これはっ!?」
 姫さんの驚く声。
 だが、俺達はそんな事などまるで気にならない。
 ただ、今はアルの温もりを……。
 この唇の柔らかさを感じていたい。
 重なる想い。重ねた唇。そして、重ねあう魔力の流れ。
 その全てが俺達の間で溶け合い交じり合って大きく膨らんでいく。
 全てを飲み込む勢いで、結界の隅々にまで広がっていく巨大な魔力。
「ひ……ひぃぃ……ぴぎゃらぁぁぁぁぁっ!?」
 それは周囲の虫達を巻き込みながら、粉砕しながら広がる。
 だが、リル達や姫さん達には全く影響はない。
 むしろ、傷が癒えている位だ。
「……なんて、優しい魔力……」
 呟くように言った柘植の視線は俺達に釘付けになっている。
「これが全部……大十字くんのアルちゃんへの愛情なの……? なんて大きくて……なんて暖かい……」
「叶わない……と、思い知らされてしまいますわね……」
 少し寂しそうに呟く姫さんに、柘植もちょっと悔しそうな微笑を浮かべて頷いた。
「九郎……お前、やっぱり凄いよ……」
 レアンも俺達の魔力に包まれた結界の中を見つめながら呟く。
 そして……。
 俺達がそっと唇を離すと、辺りに広がっていた魔力は一瞬にして消え失せた。

 煩いほどに辺りを飛び交っていた虫はもういない。
 しかし、それは一点に集まって新たな形を成していた。

 それは、まるでダニを巨大化したような不気味なもの。
 その身体のあちこちに、レイリーの人面疽が浮かび上がっている。
 身の丈15メートルと言ったところだろうか。
「ようやく正体を現したみたいだな……」
「なんともおぞましい形だ……九郎、どうする?」
「……焼き尽くすにしても凍りつかせるにしても、またあの虫になられたら厄介だ。ここは……」
「一気に決めるか」
「応ともよ!」
「ならば……リル!」
「はぁいっ!!」
 アルの呼びかけに一瞬で俺達の所へと飛んでくるリル。
「やるぞ!」
「応!」
「うんっ!」
 その瞬間、俺の背中に広がるマギウス・ウィングの一対が魔導書のページとなって舞い、魔法陣を形成する。
「混沌なる光と闇の狭間より、あらゆる邪悪を切り払い、あらゆる災厄を打ち破る、汚れ無き刃よ、我が下に……来たれ…」
 魔法陣の中に現れる力の渦。
「闇を裂き、光を断つ者よ、その力、我等が主の下へ!」
 アルとリルの言霊に応えるように、力の渦が剣の柄へと形を成す。
 それをしっかりと掴み、俺は一気に引き抜いた。
「今ここに、顕現せよ! 無垢なる剣……デモンベイン!!」

 俺の言霊を魔方陣が編み上げ、曇り1つなき美しい刃の剣を具現化する。
『召還剣デモンベイン』が今、ここに顕現した。




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