−歌パロShort story−
素直にI’m Sorry

by Sin

いつものように俺達は2人でドライブをしていた。
だけど・・・
「もういいっ! 私、1人で帰るからっ!!」
そう言って、響子は車を降りた。

よくあることだ・・俺達はこうしてしょっちゅう喧嘩してる。

「あのなぁ、こんな所からどうやって1人で帰るつもりだよ・・」
「1人で帰るって言ったら帰るのっ! 達哉こそさっさと帰りなさいよ!!」
「ったく・・・」
仕方なく俺はエンジンをかける。
すると、響子は振り返って、いきなり泣き出した。

− オイオイ・・それは反則だろ・・

溜息をつきながら俺はエンジンを切った。
「な、なによ・・さっさと帰りなさいよ・・・」
「帰り道も知らないくせに・・・」
そう言って俺は車を降りた。
「なによぉ・・・」
泣き顔でにらみつけてくる。
まったく・・意地っ張りなんだよな・・・

「・・・・今すぐ、仲直りしてやろうか?」
俺がそう言ったら、響子のヤツ・・いきなりうつむいて・・笑い出しやがった・・
「な、なんだよ・・・」
戸惑う俺に響子はいきなり抱きついて・・
「バカ・・・」
そう言って・・また笑った・・・

そんな響子の・・笑顔を見てたら・・・俺・・
「・・・ごめんな・・」
さっきまで・・なんで言えなかったのか不思議なくらい・・
素直に言葉が出てきた・・

いつもうまく言えないけど・・ただ・・今はお前に・・
Kissが・・したくて・・・



今日は響子とつきあい始めて・・3回目のクリスマス・・
俺達はお互いに一人暮らしをしていたから、今日はあいつの部屋で2人きりの
クリスマスパーティーの約束をしていた。
「早く帰ってきてね。待ってるから」
そんな言葉が頭に浮かぶ・・

すっかり仕事で遅くなっちまった・・・
あいつ・・怒ってるだろうな・・

携帯を見ると、何件も留守電が入ってる・・

1件目・・
『達哉・・まだ・・かな? 早く来てね・・』
2件目・・
『まだ・・なの? 早くしないと、クリスマス終わっちゃうよ・・』
3件目・・
『・・・達哉・・まさか、忘れてるんじゃないわよね・・? 早く来てよ・・・』
4件目・・
『いつまで待たせるのよ・・すっかり料理も冷めちゃったじゃない・・・早く来てよ!』
そして・・5件目・・
『もういいっ! 来る気がなかったなら初めからそう言ってよ! じゃあねっ!!』

すっかり怒らせちまったみたいだ・・・

メッセージを聞いている間に、俺はあいつの部屋の前に来ていた。
「また・・喧嘩だな・・」
思わず溜息をつきながら、俺は持っている合い鍵でドアを開けた・・

「響子・・悪いな、遅くなって・・」
そう言って俺が部屋に入ると、そこには部屋中をクリスマスの飾りで埋め尽くした
響子が、椅子にもたれたまま眠っていた・・

「まったく・・こんな所で寝ていたら・・風邪ひくぞ・・」
俺はそっと響子を抱き起こす。
すると、響子は目を覚まして、俺をぼーっと見ている。
「・・・達哉・・? あは・・本物みたい・・」
まだ半分夢の中みたいだ。
そしてまた、軽い寝息を立てて眠ってしまった。

そんな・・響子の寝顔を見てたら・・
「・・・ごめんな・・響子・・」
いつも意地を張ってしまうけど・・今日くらいは・・素直に・・
ただ・・お前の側にいたいから・・・


いつものように喧嘩して・・今日はなんとなく素直になれなくて・・
そのまま帰ってきてしまった・・・

気まずいまま・・このままあいつと別れることになっちまったら・・
そう思うと・・ひどく寂しい気がした・・

だから・・・

俺はいつしかあいつの部屋の側に来ていた。
携帯で響子を呼び出す・・
『・・・な・・に?』
声が震えてる・・泣いてたのか・・
あいつも・・俺と同じように・・いや・・俺以上に寂しかったんだろうな・・
「・・ごめんな・・」
『えっ・・・』
戸惑ったような響子の声・・
「窓の下・・来てるから・・」
『えっ!?』
その瞬間、響子の部屋の窓が開いた。
「達哉!? どうして・・」
「そっち・・行っていいか?」
「う、うん・・・」

響子の部屋に入ると、テーブルの上にグラスがあった。
微かに酒の匂いがする・・
飲んでたんだな・・

「えっと・・なに・・かな?」
不安げに響子が聞いてくる。
そんなあいつを俺はいきなり抱きしめた。
「えっ・・えっ?」
「ごめんな・・寂しい思いさせちまって・・・」
そう言って強く抱きしめると、響子が突然泣き出した。
泣きじゃくる響子を強く抱きしめて・・・
俺達は・・Kissをした・・

いつまでも・・ずっとお前の側にいたくて・・・




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