−歌パロShort story− ロード全章SS
届く事のない手紙
  〜ロード第五章〜

by Sin

 あの日から、俺は何度も悠子の家へと来ていた。
 悠子の両親も快く迎えてくれる。

 俺の中で、悠子の想い出が色褪せてしまわない様に・・
 何度も何度も、悠子のいたこの場所で・・
 君への想いを話し続けた・・

 そんなある日・・
 君の部屋で、引き出しの中から出てきた物・・
 それは、出逢った頃の俺の住所に着かずじまいで戻った手紙。
「今頃になって・・どうして?」
 不思議に思いながら日付を見ると、君がベットで恥ずかしそうに
「初めてなの・・」とうちあけた夜だった・・

 開いた便箋には・・
『今私の横で眠るあなたがいる。見つめているだけで幸せを感じる。
一生こうして入れたらいいなと夢を見ていたの・・・』と・・綴られていた・・

 届く事のないあの日の手紙・・
 いつしか、陽炎の様に揺らいで文字が見えなくなった。
 気付けば溢れ落ちる涙。
 
 君の天使が届けてくれた過去に「ありがとう・・」そう・・俺は呟く・・・

 遅すぎるかもしれないけれど、「眠るあなた」に返事を書こう。
 君が見ていない2人の写真・・最後の笑顔を入れて送ろう。

 あの時君が出かけたままの このアパートの住所に宛てて・・

 届く事のない君への手紙に、言えずにいた事全てを書こう。
 変わらない愛を。君への愛を。
 そして、永遠の誓いを・・

 届く事のない過去への手紙を天使のポストに入れて出そう。
 
 そしていつか・・届く事のない手紙も、君の元へ届くだろう・・

 俺達は真っ赤な糸で結ばれているんだから・・現在も未来も・・






戻る