−Short story−
心の鍵
by Sin
全てが嫌になったあの日、俺は心に鍵をかけた。
何も受け入れず、誰にも明かさない……
そうしていれば、何も…失うことはないから……
だけど、ある時を境にして、それは変わった……
あの日……君と出会った日から、俺の扉は少しずつ開き始めた。
失うことの恐れが……消えていく……
いや……それ以上に……この扉の中の物全てを失っても……
かまわないとさえ思えるようになっていた……
そして君と出会って1年……
俺の扉は君の前でだけはかなり大きく開き始めた。
君を……君の全てを受け入れる為……
そして……『俺』を君に知って貰う為に……
今日、俺は君に渡す…
全てを閉ざしてきた…心の鍵を……
「君が…好きだ……」
その言葉を添えて……
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