Short Short 劇場
<<斬魔大聖デモンベイン>>

第18幕
『確信犯』

「う〜ん…」
「どうした、九郎?」
「いや、考えてみると、俺っていつもお前の思うままに乗せられている気がするのだが……」
「うゆ?」
「だってよ〜」
 思い出す過去の出来事。
 ライカさんとアルの初対面の時…
 
「あらあらあら〜? まぁ九郎ちゃん! こちらの可愛らしいお嬢ちゃんはいったい?」
「ああ……これ? 何つーかなぁ……」
「うむ……九郎の所有物だ
 あの瞬間、間違いなく時が凍った。
「あ……あうあう……あっ………ああ……っ! 九郎ちゃん!? あ、あああああああなた、も、もしかしてぇっ!?」
「ちょっと待った! 違うっ! ライカさんが想像している事はきっと間違ってるぞっ!? おい魔道書! そう言う誤解を招く言い方は……」
「あ、ああん、ご主人様ぁ……ニヤリ」
「確信犯ッ!?」

 あの後、ライカさんの誤解を解くのにどれだけ苦労したか……
 
 それに、魔術師としての特訓の為にミスカトニック大学の時計塔に登った時も……
 
「アル、俺も1つ聞きたい事がある」
「なんだ?」
「その格好は何だ?」
「うゆ?」
 首を傾げるアルの姿は、どこからどう見ても体操服にブルマスタイル。
 んなもんどこから持ってきやがった、こいつは。
 しかも胸には手書きで「あるあじふ」ときたもんだ。
 
「何でそんな格好なんだよ」
「特訓と言えばこれ。常識だろう?」
「何処の偏った世界の常識だよ、それは……」
「欲情するなよ」
「確信犯かよ!」

 毎回毎回あの調子で……
 
 まあ、最近はあまりそう言う事も……
 
「九郎……少し話したい事があるのだが……」
「ん? ああ、なんだ?」

 隣に寄り添い、じっと見つめてくるアル。

「お、おい、なんだよ?」

「………九郎…妾……身籠もったようだ……」
「…………へっ?」
「責任……取ってくれるな?」
「え、えええええっ、な、何で魔道書のお前がっ!? そ、それに……」
「ふむ……汝に注がれた愛情の賜だろう。昼夜の区別無く彼程に求め奪われてはいかに魔道書の妾とて…」
「なっ……ななななっ………」
「汝は…女を身籠もらせておいて、責任の1つも取らぬ情けない男ではないよな?」
「…………アル……真逆……」
「うゆ?」
「……確信犯……か?」
「……………ニヤリ」

「ったく……」
 結局……こうなるワケね、俺の運命……
 


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