−“ダメ人間の住処”10000HITジバク記念 DADDY FACE SS −
『淑女達のジバク談義』

by Sin

 いつもの如く、喫茶店でティータイムを楽しんでいる美緒、ドーラ、紗慧。
 普段はとても仲の良い3人なのだが、この日に限っては、なにやら不穏な空気が…

 その為、休日昼日中のかき入れ時にも関わらず、店内はがらんと静まりかえっていた。

 全ての原因は、ほんの10分ほど前の事…

 たまたま通りすがった2人組の男達が話していた事がきっかけだった。

「今の女の子達、3人ともメチャクチャ美人だよなぁ…」
「でもさ、誰が一番だと思う?」
「そりゃあ、やっぱりあの外人だろ? スタイル抜群だしなぁ」
「俺はあの子かな。ほら、あの一番色っぽい子」
「もう1人は?」
「俺ロリコンじゃないし」
「そりゃそうだ」
 そう言って笑いながら去っていった男達に、わなわなと震える拳。

「だ…誰が幼女…だって?」
「まあまあ、美緒」
「別に怒るほどの事でもないかと思いますけど?」
 怒りに震える美緒を、苦笑しながらなだめるドーラと、冷静に言う紗慧。

「……2人は良いわよね。ドーラはスタイル抜群って言われてたし、色っぽいなんて言われてた紗慧だって…」
「真実ですから」
「あ、あんたねぇ……」
 紗慧の言葉に美緒のこめかみには青筋が。
「ドーラさんがスタイル抜群である事は間違いありませんし。私達が大人顔負けの物を持ち合わせている事は皆が認めている事ですよ」
「………い、言わせておけば…わ、私だって…け、経験なら一番大人だもん!」
「経験だけなら…ですが」
「チョット早過ぎの気もするけど…麟太郎サンも大変ネ」
「う、うるさいなぁ…ド、ドーラなんて、いくらスタイルが良くたって雪人兄さんに相手にもされて無いじゃない!」

「なんですっテ?」
 美緒の言葉に、ドーラのこめかみがピクリと引きつる。
「せ、せめて紗慧くらいまで色気を身に着ければ良いんじゃないの? そうすれば、こんな幼児体型の私に負けてるなんて思いしなくてすむんだし」
「美緒…言って良い事と悪い事があるわヨ……大体、その紗慧だっテ、相手にして貰うような相手すらいないじゃなイノ」
「ドーラさん、それはどういう意味かしら?」
 今度はドーラの言葉に紗慧の冷静な顔が一瞬引きつった。

 一触即発。

 まさにそんな雰囲気を漂わせながらにらみ合う3人。
 だが…

「な〜に、怖い顔してるのかなぁ?」

 不意にかけられた声に3人が振り返ると、そこには満面のエンジェルスマイルを浮かべる美花の姿があった。

「姉上?」
「あれ、美花サン」
「いつの間に…」
 唐突に現れたその姿に、3人は驚きを隠せない。

「美緒ちゃん、お友達と喧嘩しちゃ駄目だよぉ」
「あ…う……」
「ドーラちゃんも、紗慧ちゃんも、めっ、だからね」
 ぴしっ、と指を立てて言う美花に、思わず怯むドーラと紗慧。

「3人とも、仲良くだよ〜」
 そう言って去っていく美花の側には九曜の姿が。
 その様子を見送った3人は、言いしれぬ敗北感に打ち拉がれた。

「……ロリーな魅力抜群で、彼氏もいて……」
「スタイル抜群デ……」
「可愛らしいのに……どことなく色っぽい……」

 言葉にすると余計に惨めさが湧いてくる。

「私達、なに言い争ってたんだろうね……」
「……そうネ…結局、誰も美花サン1人に勝てないノ…」
「……わ、私の色気すらも叶わないなんて……完璧すぎるわ…美花さん…」

 純真無垢100%
 エンジェルスマイルとロリ顔、ダイナマイツばでぃを装備し、天然ボケ、がんばり屋さん、ずるべたーーーん!と言ったスキルを習得している彼女の前に、立ちはだかる物はなにもない。最終奥義、『助けて、樫緒兄さま〜〜』が発動する時、あらゆる敵は排除される。

 打ち拉がれた美少女3人が喫茶店をあとにして数時間後…

 世界的に知られる犯罪組織が、跡形もなく壊滅した事を世界が知るのは…
 もう少し先の事だった…

 しかし、それが、わずか3人の美少女によってもたらされた事、そしてそれが彼女達の八つ当たりによる物である事を知る者は…誰もいない……





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