100000HIT記念 機神咆吼デモンベインSS
『最狂の技』

by 梁 明


「さ〜〜て、九郎ちゃんにアルちゃん、デモンベインを任すに当たって、その必要な知識をできるだけレクチャーしたる。機体の構造に武器、せめてこれくらいは知っておかな闘えんやろ」
 壁面のモニターの前でふんぞり返るのはチアキだ。その大きな胸が揺れるのをアルが苦々しげに見ている。
 九郎はというと、モニターに映るデモンベインを見つめていた。いや、目が点になっているというべきだろう。
 デモンベインの正面図が映っているのは判るし、それを縦半分から内部の設計図となっているというのも、まあ、普通だろう。だが、その大事な骨格フレームの形が先○者だった。
「ん? どないしたん、九郎ちゃん?」
「すっげぇ疑問なんだけど、何でボディよりもフレームの方が、幅がでかいんだ?」
「ああ、これ? 大丈夫。中の部分をきちんと組み込んでから外部装甲をセットすると、この形になるねん」
「そんなわけあるかああっ!!」
「何でか知らんけど、そうなるんやから仕方ないやろ。ほら、今は外部装甲を外してるさかい」
 チアキが映像を切り替えると、装甲を外されたデモンベインが……いや、今はどう見ても先○者がそこにある。こめかみを押さえる九郎が呻いた。
「冗談だと思ってたんだがな……」
「妾もさすがにこうなっているとは……」
 とーい目のアルもまた同意見だ。チアキの説明は続く。
「さて、これがデモンベイン最大の武器、レムリア・インパクトの仕組みや」

 かっくん……

 九郎とアルのアゴが落ちた。
「ちょっと待て……」
「何や、またかいな」
「アレは何だ?」
「……見たまんまや」
 九郎の問いに、冷や汗をかくチアキ。
「だからって、あんなのがあんな所にあるなんて、許されるのか?! っていうか、なんであそこにある?!」
「あー、つまり、燃える魂とか……」
 全く理由になってない答えに、九郎がプチ切れる。
「そんなのが理由になるかああぁっ!!」
「ええやないか! 『荒唐無稽熱血スーパーロボットADV』なんやから!」
「熱血は入ってなかったと思うぞ……」
 冷静な指摘に、チアキは目をそらす。
「それで九郎、アレは一体何なんだ?」
「……マグナ△エースだ」
「なんだ、それは?」
「熱い魂で数々のスポーツを戦い抜いた、熱血スポ根ロボットアニメの主人公だ」
「……で? それがなぜ、デモンベインの右手首に内蔵されているのだ?」
「せやからな、マグナ△エースの『44ソ=ック・オン・ファイxー』のエネルギーを起爆剤にして、充填された魔力を無限の超高熱にする武器がレムリア・インパクトなんよ〜〜」
 すっごく不審な者を見る目つきでチアキを見る九郎とアル。
「ほ、ほんまの事なんやから、仕方ないやないか〜」
 チアキは涙目で訴える。九郎とアルが、諦めの溜息をついた。


 戦いは進み、とうとうマスターテリオンとの一騎打ちを迎える。


「いくぜ! マスターテリオンっ!」
「九郎! レムリア・インパクト、いつでもいけるぞ!」
 デモンベインの右手に魔力が集中する。

「ふっ……、レムリア・インパクトか。ならば、我は……」
「イエス・マスター」
 リベル・レギスの右手に魔力が集中する。

「何っ?! ヤツにもあるのかっ?!」
「ああ! あれで妾のアイオーンがやられた!」
 後はどちらの力が上なのかが勝負の分かれ目になる。
「絶対に、負けるわけには……へ?」
 急に九郎の集中力が無くなった。
「どうしたのだ主!! ここで魔力を途切らせたら……うにゃ?」
 九郎と同じモノを見つけたアルもまた、呆然としてしまう。それは、リベル・レギスの肩の上にせり上がったモノのせいであった。
 全身が筋骨隆々とした銀色でのっぺりした顔、いや、顔など無い。そして胸に大きなペ○シのマーク。そのマークの下へと赤いラインの入った変態、っつーか、ペプ○マンである。それが、リベル・レギスの腕を走ってきた。

「ハイパーボリア・ゼロ・ドライブ!!」 BGM「ペプシ○〜〜ン
 リベル・レギスの手刀がデモンベインへと伸びる。その手の甲に乗った○プシマンが、広げた手をこちらに向け、口を開いた。
「パァァァァァッ!」
 ペプシマ○の放つ清涼感がリベル・レギスの魔力と融合し、絶対零度の冷気となってデモンベインへと襲いかかる。
「うおおおおおおおおおおっ!! アステロイド・キャノン!!」
 デモンベインの危機を救ったのは、その右手首に内蔵されていたマグナ△エースであった。オイルが沸騰するような熱血の魂がデモンベインの魔力と融合し、リベル・レギスの絶対零度と対抗できるだけの熱量を産む。

 ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

「ぐうううぅっ!!」
「うにゃああぁぁっ!!」
 間一髪でデモンベインは直撃を免れた。
「どうした二人とも! 集中しなければ、この試合、負けるぞ!」
 マグナ△エースの叱責が飛ぶ。
「いや、試合じゃないんすけど……」
「もう一度行くぞ!」
「何で汝に命令されなければならないのだ?」
 何だかんだ言いつつも、目の前にマスターテリオンがいるのだ。気は抜けられない。再び魔力を高める。


 結論。

 リベル・レギスは必殺技を繰り出す直前に、腕を走ってきたペ○シマンが転んでしまい、その隙にレムリア・インパクトが炸裂してしまった。ペプ○マンはかなりのドジであったのが敗因だ。


 合掌



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