狂科学ハンターREI SS 『桜の育児日記』 第6話
by Sin



「ただいま〜」
「おかえり、アリシア。あれ、タケルは?」
「ご主人様の御用ができたからって、帰っちゃった」
「そう………」
そう言って微笑む玲にアリシアはなんとなく違和感を感じた。
「玲、どうしたの?」
「えっ?」
「………帰ってきちゃ……だめ……だった?」
うつむいてそう言うアリシアに玲は微笑むと、軽く小突いた。
「なに言ってるんだよ。ここはアリシアの家でもあるんだから、駄目なわけないだろう?」
「そういうことじゃなくって………」
「ん?」
「………その………桜さんと二人きりにしてあげた方が……いいのかなって………」
いたずらっぽく微笑んだアリシアにそう言われて、玲は真っ赤になった。
「なっ、なに言ってるんだよ、アリシア。そ、そんなこと、別に気にしなくて……」
慌てて言った玲だが、その言葉とは裏腹に新婚夫婦みたいだと思っていたさっきのことを考えてしまい、余計に赤くなった。
「あはっ、玲、真っ赤」
そう言ってくすくすと笑うアリシアに玲はさらに顔を赤らめてため息をついた。
「か、からかわないように………」
「ふふっ、はぁい」
その時、奥の部屋の扉が開いた。
「ふぁぁ………いつの間にか寝ちゃった………」
「あ、桜さん、ただいま〜」
「おかえり〜。あれぇ、彼氏は〜?」
笑いながらそう言ってくる桜にアリシアもくすくすと笑った。
「タケルくんなら、ご主人様のご用ができたからって帰っちゃったの」
「ふぅん……そっか。あいつも結構薄情だね〜。こんなに可愛い恋人がいるってのに、ランジュバン公爵の
用事を優先しちゃうなんてさ」
「タケルくんにはご主人様の命令は絶対だもん。でもね……」
「ん?」
「ちゃんと私の事も気遣ってくれてるから………だからいいの」
「そっかぁ……まあ、アリシアがいいならそれでいいんだけどね」
「うん。……ところで………なにかあった?」
いきなりのアリシアの質問にキョトンとした桜だったが、やがて玲と目が合うと、これまでの事を思い出して真っ赤になった。
「あはっ、桜さんも真っ赤」
「も、もぉ、からかうんじゃないの! 玲くんも何とか言ってよ〜」
「あ、う、うん……え、えっと、じゃあ、紅茶でも………」
「玲くん! もぉ………」
「ふふっ、あんなに真っ赤な玲、見るの初めて。やっぱり私、お邪魔だったかなぁ?」
「アリシア〜っ!」
真っ赤になってにらみつけてくる桜の様子にアリシアはくすくすと笑った。






    戻る   TOP   次へ