DADDY FACE SS 『もうひとつの翔仔伝説 (3)』
by Sin



悪夢のような出来事からしばらくして・・
あの無理矢理な中絶処置のために、翔仔はひどい内臓疾患を抱えてしまい、入院する
事になってしまった。
もちろん俺は付き添うつもりで、食事の後、翔仔の所へ向かおうとしていた。
その時だった。

「大地、どこへ行くつもりだ」
「あんたには関係ないだろ」
俺はそう言って部屋を出て行こうとした。だが・・

「あの翔仔とか言う娘のことはもう忘れろ」

その言葉が、俺を凍り付かせた・・
「・・・なんで・・翔仔のことを知ってる・・?」
声が震えているのが解る・・
そして・・・俺は最悪の言葉を聞かされた・・・

「もはや子供の事を気にする必要もないのだ。あんなどこの馬の骨とも知れない娘の事など
金輪際忘れろ」

その瞬間・・俺は翔仔を傷つけたのが誰なのか、はっきりと思い知った・・

「お前が・・・お前が・・・俺達の子供を殺しやがったのか!!」
激高する俺を鼻で笑い飛ばしたあいつは、見下したように言い放った。
「それがどうした。大体お前があんな小娘なんぞに引っかかって、子供を作ったりしなければ、
こんな下らん事をする必要もなかった物を。いらぬ手間をかけさせおって」

罪の意識のかけらすら感じていないあいつの言葉・・・
翔仔を・・俺の翔仔を傷つけて・・まるでそれが当たり前みたいな顔をして・・・
そのまま自室に戻るあいつの背中を見つめながら、俺は翔仔の泣き顔を思い出していた・・

− 翔仔を傷つけて・・俺達の夢を奪いやがって・・・絶対に・・・絶対に許せねぇっ!!

そして俺は自分の部屋に戻ると、棚の中からバタフライナイフを取りだし、そしてそのまま
あいつの部屋へと向かった。

「なんだ、まだ何か用か・・私は忙しいんだ。後にしろ」
そう言って追い払おうとするクソ野郎の背中に・・俺はナイフを突き立てた・・・

「ぐぁっ!? だ、大地、き、貴様ぁぁぁっ!!」
「よくも翔仔を! 俺達の夢をっ!!」
再び突き立てる。
真っ赤な鮮血が飛び散り、俺の手を赤く染めた。

「だ、大地様! 何をっ!?」
その時、部屋の隅から慌てたようにクソ野郎のボディーガードが数人姿を見せる。
だが、俺はそれを無視して、更にナイフを突き立てた。

「お、お前達、何をしている! この馬鹿者をさっさと捕らえろ!!」
「は、はいっ!!」
慌ててボディーガード達が俺を押さえ込む。
「くそっ! 離せ!! 離しやがれっ!! こいつは・・こいつだけは生かして
おけねぇんだっ!!」
必死に振り解こうとするが、3人が相手ではどうする事もできなかった・・

「この馬鹿者を、部屋に閉じこめて絶対に外に出すな!」
結局、あいつの命令で俺は部屋に閉じこめられ、あいつをぶち殺すどころか、
翔仔に会いに行く事さえできなくなってしまった・・・

「くそぉっ!! 出せ! 出しやがれぇっ!! 俺はこんな所で閉じこもってる
場合じゃねぇんだ!!翔仔の側に・・側にいてやらねえと駄目なんだぁっ!!
出せ・・・出せぇぇぇぇっ!!」
必死に叫んでも・・いくら暴れても・・
俺はそれから3ヶ月もの間・・・翔仔に会う事もできぬまま・・苦しい時を過ごすしか・・
無かった・・・・







 
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